第363話キミを指差して私にできること

「これだけで? これを格好いいって言うの? 本当に美しいものを見たことがないんでしょうね」

嘲るような笑い声がして、やがてその人物が二人を連れて歩み寄ってきた。

まず彼女はエミリーを上から下まで品定めするように見回し、わざとらしく店員のほうへ向き直ると、見下すような侮蔑をありありと浮かべた。

相手が誰か分かったエミリーは、その態度にも別に驚かなかった。自分を笑いものにするだけなら、ここまで腹も立たなかったかもしれない。

だが、最初から無関係の人間を巻き込んでくるやり方――それだけは心底虫唾が走る。

「何をそんなに得意になってるの?」

エミリーはまぶたをわずかに伏せ、向かいの二人をま...

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